猫や小動物も忘れないで!!花火が怖いのは犬だけじゃない!

『花火を怖がるワンちゃんへの対処法』でお話しした通り、イギリスで11月5日は『ボン・ファイヤーナイト』『ガイ・フォークスデイ』と呼ばれ、全国各地で篝火(かがりび)が焚かれ、花火大会が行われます。

そして花火が怖いのは犬だけじゃありません。猫やウサギ、モルモット、ハムスターなどの小動物も音に対してストレスを感じます。

untitled_artwork-2猫やうさぎなどの小動物は静かに耐える傾向があり、ストレスの度合いを測るのが難しく、彼らのストレス対策は意外と見過ごされがちです。

ストレスを感じていないように見えても、もしかしたらもの凄いストレス感じているかもしれません。

平気そうに見えても念のため、対策を取ることをお勧めします。

 

猫のためにできる花火対策

戸締りをしっかりと:

犬と同様、パニックになって外に逃げ出しちゃう場合があるので、戸締りをしっかりと。窓やカーテンを閉めて音と光をできるだけ遮断しましょう。また家具や壁の隙間などにうっかり入っちゃうこともあります。家中の隙間、ドア、窓、全てしっかりとチェックしておきましょう。

マイクロチップを入れておく:

万が一家から逃亡して迷子になってしまうことを考慮し、室内飼いであってもマイクロチップを入れておくことをお勧めします。そして、マイクロチップの情報が最新であるか確認しておきましょう。

隠れられる場所を確保する:

いざとなったら隠れられる安心スペースを用意、選ばせてあげてください。できる限り家中自由にアクセスできるようにしておきましょう。

フェロモン剤フェリウェイを使う:

フェリウェイ日本語サイトは猫の頬周辺から分泌されるフェイシャルフェロモンF3類縁化合物を配合した製品です。ディフュザータイプとスプレータイプがあります。F3は猫の頬から分泌され、猫に安心感を与え、情動を落ち着かせる効果があると考えれています。猫がお気に入りの対象や飼い主さんに頬をこすりつける動作をするのは、大好きな物・人にF3を付着し精神的な安定を得ているのですね。犬のフェロモン製品と同じく効果には個体差がありますが、試す価値ありです。

その他のストレス対策効果が期待できるレメディーやサプリメントを使う:

フェロモン剤への反応がイマイチだった、もう少しナチュラルな物を試したいという場合はPet Remedyを。リラックス効果のあるエッセンシャルオイルとエクストラクトを調合した商品でディフューザーとスプレータイプがあります。

Nutracalmという動物病院でのみ取り扱いをしているサプリメントは『L-トリプトファン、ギャバ、L-テアニン、パシフローラ エキス、ビタミンB群、イノシトール』といったストレス対策に効果が期待される成分をたくさん含んでいます。

また、Zylkine(ジルケーン)日本語サイト)という抗不安サプリメントも動物病院で取り扱いの多い商品です。母乳を飲んでスヤスヤ眠る赤ちゃんをヒントに開発されたサプリメントで、母乳成分α-S1トリプシンを配合しています。このようなサプリメントの効果には個人差がありますが、好反応を見せる子もいるので、獣医師と相談し試してみる価値ありです。

また猫の場合、ストレスを感じると『特発性膀胱炎』になってしまう子がいます。ストレスなどに敏感で膀胱炎になりやすい猫ちゃんの場合、花火大会前後数週間ほど『Cystophan』や『Cystaid Plus』といったストレスを軽減させる効果が期待できるアミノ酸(L-テアニン)と膀胱粘膜の構成成分であるグリコサミノグリカン(ヒアルロン酸やグルコサミン)が配合されたサプリメントを摂取することもお勧めです。

 

ウサギ、モルモット、ハムスターなどの小動物にできる花火対策

犬猫同様、戸締りはしっかりと。

ウサギ、モルモット、ハムスターなどの小動物の場合はケージに毛布をかけて花火の音をできる限り遮断してあげましょう。またベッドの中に隠れられるよう、干草などのベッド素材をいつもより多めに入れてあげましょう。

また、犬猫のストレス対策で紹介したPet Remedyは小動物達にもリラックス効果が期待できる数少ないレメディー製品なので要チェックです。

そして小動物のストレス対策で一番大切なのが、ストレスイベント後の健康管理。ストレスによる『食欲不振』に要注意することです。 小動物の『食欲不振』はたった1日でも死に至ることがあります。脅しではありません、本当に命に関わる重要なことです。

ストレスの引き金になりかねないイベント(花火大会やパーティーなど)の後は、いつも以上に体調の変化に注意して観察してあげてください。小動物の場合、体調異変の原因がストレスのみであっても「ちょっと様子を見てみよう」は命取りになるかもしれません。少しでも異変を感じたら即動物病院に相談すること!また、いざという時に備えて Critical Care®のような強制給餌用の餌を動物病院で購入・常備しておくことをお勧めします。




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ABOUTこの記事をかいた人

香川県高松市出身 地元香川の高校卒業後、ニュージーランドでの語学留学・大学進学準備コースを経てオーストラリア・メルボルン大学獣医学部に進学。現在イギリスで臨床獣医師として働いています。