みなさん、こんにちは。
この夏、イギリスも日本も異常な暑さが続いていますね。
今日のイギリスは気温が落ち着き過ごしやすくなっていますが、来週はまた暑くなるようです。
この時期、人間だけではなく動物も熱中症になることがあります。早い段階で気付けば大事には至りませんが、少しでも処置が遅れると命に関わる大変な問題です。
熱中症で命を落としてしまう原因で一番深刻なものが『犬の車内放置』。毎年、様々な啓蒙キャンペーンが行われますが、それでも『車内に犬を放置し、結果犬が亡くなってしまう』というケースが後を絶ちません。
車中の温度が上がるのはあっという間。
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今日は、暑い日車内放置され苦しそうにしている犬を見つけた時の対処法を過去の記事から抜粋してまとめました。
CONTENTS
車内放置されている犬を見つけた時の対処法(イギリスの場合)
犬の状態を確認;熱中症の症状が出ているのか確認
- 激しいパンティング・荒い呼吸
- 大量のよだれ
- 舌や歯茎が充血して赤くなる
- ぐったりしている
- フラフラしている
- 意識混濁
- 脈拍・心拍数の増加
- 嘔吐
- 下痢
- 痙攣
熱中症の症状が出ていない場合
- 車内放置時間を把握するために時間をチェックする
- 車のナンバーを記録する。飼い主が短時間で戻ってきて大事に至らなかった場合でも、犬が危険な環境に置かれていたと思った場合、警察に通報し車のナンバーを伝える
- 可能であれば場内・店内アナウンスをしてもらい飼い主を探す
- 飼い主が戻ってくるまで犬の状態を見守る。どうしてもその場を離れなければならない場合、他の人に犬を見守ってもらうようお願いする
- もしも犬が熱中症の症状を見せはじめた場合、999(警察)へ連絡し警察の到着を待つ
軽度の熱中症の症状がある場合
重度の熱中症の症状があり一刻を争う場合
「今すぐ窓を壊して救出しなければ!」と誰もが思うと思います。ただ、一般人が見知らぬ人の車の窓ガラスを許可なく壊すという行為は、器物損害罪になってしまう可能性があるので、注意が必要です。警察の到着を待つことができる場合は、警察を待ってください。ただ、そんな余裕がない場合は以下の手順を
- 直ちに警察へ連絡 (999)
- 「犬が車内でぐったりしている、意識がない」など犬の状態を説明し、 「今すぐ車の窓を壊して救出しなければ命に危険が及んでいるので、直ちに窓を壊す必要がある」と緊急事態であることを伝える
- 犬の命が危険な状態であり、そして窓ガラスを壊すという行動が正当であるという証拠として一部始終をビデオまたは写真で記録する(してもらう)
- 周りにいる人に証人になってもらうようお願いする(後で名前・連絡先を聞くことを忘れずに)
- 窓ガラスを壊し犬を救出し、応急処置をする
- 日陰・涼しい場所へ犬を移動する
- 全身に水をかける・スプレーする(ショックを起こさせないため、冷たすぎる水は避けること)
- 犬の周り(地面など)にも水をかける
- 濡れタオルを被せる
- 濡れた体を風に当てる(扇風機やうちわを使用したり、風当たりの良い場所に移動する)
- 水を少しずつ飲ませる(冷たすぎる水は避ける)
- 応急処置が済んだら、獣医に連絡して指示を仰ぎ、病院へ移動する
緊急事態でない場合は、警察ではなくRSPCAの通報ライン(0300 1234 999)に連絡しアドバイスを仰ぐという方法もありますが、犬が少しでも熱中症の症状を見せていたら迷わず警察(999)に連絡してください
日本ではどうすればいいの?何処に通報・連絡すればいいの?
日本でも、基本的なことは同じです。ですが日本にはRSPCAのような機関がないため、緊急事態でない場合は管轄の地方自治体の動物愛護管理行政に電話連絡を。
緊急事態の場合はイギリスと同様、警察に通報し緊急性を伝えてください。
行政の担当者が現場に来れない場合、行政の業務時間外である場合も警察へ通報してください。
あなたの行動が命を救う
車内放置だけでなく、お店の前・庭先・公園などでも長時間放置されていると熱中症になります。屋内外問わず、暑さで苦しそうにしているペットを発見したら、躊躇せず行動して下さい!通報することに抵抗がある方も多いかと思いますが、躊躇している間にもペットの命がどんどん危険に晒されて行きます。ちょっとしたアクションで大切な命を救うことができます。みんなで大切な命を守っていきましょう。
暑さに弱いのは犬だけではありません
ウサギやモルモットなどの小動物も暑さに相当弱いので要注意です。猫は、犬やウサギなどに比べると命に関わるような熱中症になることは少ないですが、熱中症までいかなくでも夏バテを起こすことは珍しくありません。夏場、なんだか猫の食欲がない、元気がない、嘔吐するなどの症状があれば獣医師に相談を。猫の熱中症は少ないとはいえ、何らかの理由で風通しが悪く暑い場所に閉じ込められた場合、車内移動をしなければならない場合、キャリーケースで移動しなければならない場合などには熱中症を起こすことがあるので十分に注意してください。
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